8ミリ通信No.7 松下隆一の8ミリ映画撮影だより
『マリコと一日』を製作して

『マリコと一日』:ある日、子供たち(劇団アクターズ京都)は病気で死んだはずのマリコに出会う。夢中で彼女を追いかけるうちに、子供たちは生きている時はほとんど話もしたことのないマリコが何をしたかったのかを知る。

8mm7no4_convert_20090617165402.jpg
京都の路地で演出中の筆者、中央奥。


 少し前置きが長くなるが、ご容赦願いたい。
 映像関係の仕事をしていながら、不思議と”監督になりたい”と思うことはなかった。もともと書くことと映画が好きだったので、自然と脚本を志しKYOTO映画塾で学んだ。卒業製作の時にフィルム(16ミリ)で生まれて初めて自分の脚本作品がスクリーンに映写された時、これはやめられないなと思ったのを今でも良く覚えている。その時の監督が親友であったことも幸いしたのか、イメージのズレが極端に少なかったのである。
 だがその後が大変だった。何を書いても出来上がった映像は、自分のイメージから遠ざかっていくのである。どうしたものかと思っていた頃に、8ミリとの出会いがあった。その世界に何か言い知れぬ魅惑があると感じた。家族の記録、ドキュメント、ドラマと、どのジャンルにおいてもである。それはおそらく8ミリの性格上、撮りたいと思う人間がそのまま撮影者であることが多いためだと考えられる。
つまり撮影する対象への思いがそのまま映像で表現されるのである。前述の、”イメージのズレが極端に少ない”世界がそこには確かに存在していたのだった。
 今日ではビデオキャメラで家族の記録を撮る人が多いが、8ミリの映像とはどこか根本的に違っているように感じる。どこが違うのかと問われれば明確な答えは出せないが、あのフィルムの感触はビデオでは表し得ないのである。
 この出会いがきっかけとなり、いつか自分の作品を8ミリで撮りたいと考えていたが、この9月に『マリコと一日』という子供達だけが出演する短編映画を撮り、改めて8ミリ映画の奥深さを思い知らされた感がある。
技術的なことには暗いので演出的に見た8ミリ撮影
ということで勘弁願いたい。
 まず白黒で撮ったことでチョイとショックを受けた。当初は色のことを気にしなくてもいいやと気楽に考えていたのだが、いざ現像が上がってみると、実は色がないということはフレーム内で演じる俳優に対し、観る者の眼が殆どいってしまうということでもあった。つまり、細心の注意を払った演出が必要で、初監督作品としては過酷な条件であったなと少しばかり後悔している次第である。さらに、8ミリテレシネ作品というフレームのサイズがちゃんと確認できていなかったため、自分自身のイメージと若干の狂いが生じた。
 ともあれ、出演した子供達やスタッフは悪天候、悪条件の中、とても良くやってもらってありがたかった。来年か再来年には小さいながら配給ルートのある劇映画を撮る予定なのだが、今回の経験は色んな意味で勉強になり次回作品に生かせると信じている。

8mm7no5_convert_20090617173042.jpg




街かど通信
EXPO'70 三菱未来館30年目の同窓会

 第5号「最新テレシネ情報」でとり上げさせて頂いた”らんかいや”前田茂雄さん製作の『光と人間たち』(8ミリテレシネ作品)が今秋開かれたEXPO'70日本万国博の人気パビリオン「三菱未来館」30周年同窓会で上映され懐かしく鑑賞、会を盛り上げました。

                                8ミリ通信No.7 page,3
スポンサーサイト



2009-06-17 17:45 | 8ミリ映画撮影だより | Comment(0) | Trackback(0)
Comment
コメントを書く
#

管理者にだけ表示
Trackback
Trackbak URL:http://old8mm.blog49.fc2.com/tb.php/89-a8beb121
09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--