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8ミリ通信No.6 連続小説.1
『吾輩は8ミリキャメラである』

 吾輩は8ミリキャメラである。名前はまだ無い。
 どこで生まれたか頓と見当がつかぬ。何でも一度は死んでまた生き返つて古道具屋に並べられていた事だけは記憶している。吾輩はここで人間といふものとまた出会つた。
その人間は大学生といふ生き物で、本来なれば勉学に勤しむべき種族であるのに、その大学生は映画に憧れて四六時中映画のことばかりを考へて生きているのである。これを知ればさぞ親は嘆き悲しむであらう。然し乍ら吾輩は再び生命を与へられ、さまざまなる対象物にレンズを向けて映し撮る幸運に恵まれたのである。生き長らへるのであれば映してくれる人間がどんなボンクラであっても構わない。何しろ吾輩たち8ミリ種族にとっては、贅沢の言っておられない時代だ。
                              (松下川 隆之介)
                            8ミリ通信No.6 page,2
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2009-01-15 15:50 | 連続小説.1 | Comment(0) | Trackback(1)
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